<< 【国立ワンダーベイビーズ】 : 【星の流れ】 >>

【悪人】 吉田修一 著

読み進むにしたがって、どんどん深みにはまり込んでいく…

なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。

殺人の要因を作ったヤツ、実際に手を下したヤツ。
だましたヤツ、だまされたヤツ。
罪の重さって、いったいどうなんだろうか。

俺、それまでは部屋にこもって映画ばっかり見とったけん、人間が泣いたり、悲しんだり、怒ったり、憎んだりする姿は、腐るほど見とったっちゃけど、人の気持ちに匂いがしたのは、あのときが初めてでした。

今はテレビやら映画やら、もちろん本やらで情報や知識はいっぱい知ることができるけど、そこには確かに匂いがない。それはやっぱり経験・体験することでしか得られないものである。

今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものもなければ、欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ。

ヒトの痛みを笑うヤツ、残念ながら増えてきているような気がしてます。
それは、いずれ自分の身にふりかぶるであろう痛みから、ただ逃げるだけの道しか見えないヒトになりえるのではないでしょうか。

祐一、逃げたら駄目よ。恐かろうけど、逃げたら駄目よ。逃げたってなんも変わらん。逃げたって誰も助けてくれんとよ。

身に沁みる言葉です、、、ポチッ読書 左斜め下左斜め下左斜め下




JUGEMテーマ:読書

12:28  Posted by juzji
読書 : comments(8) : trackbacks(8) : 

COMMENTS

posted by 藍色  at 2007/09/28 2:51 AM
一気読みでした。
悪人とは誰なのか…考えさせられましたね。
読み応えがありました。
posted by juzji  at 2007/09/28 10:26 AM
■藍色さん
悪いことをした事実と、「悪人」ってなんか違う印象がありました。
コメント、ありがとうございます。
posted by タウム  at 2007/11/15 7:43 PM
TBさせていただきました

著者が並々ならぬ覚悟でこの作品に取り組み、できる限りの力を注いだという熱意が伝わってくるような本でした。
posted by じゅずじ  at 2007/11/15 11:52 PM
■タウムさん
裁かれるヤツ、裁かれてもおかしくないヤツ、、、本当の「悪」って何?
という、課題をつきつけられた気がしました。

TB,コメントありがとうございました。
posted by 豆子  at 2007/12/16 6:40 PM
毎度TBありがとございます(´∀`∩嬉♪
※こっちからしたかったのですが、TBやったことなくて・・・(;´з`)
不器用な「善人」、器用な「悪人」 罪は罪だけど、 でも・・・
白と黒だけじゃないだろ と往復ビンタくらったような読後でした。
坊主も疾走する12月。お身体ご自愛を〜。
posted by juzji  at 2007/12/16 8:58 PM
■豆子さん
難しい問題でしたね。
実行した本人はもちろんだけど…
なんとなく、やるせない気持ち。
でも、実際ありえる話しですね。

>お身体ご自愛を〜
ありがとうございます (^^ゞ
posted by すずな  at 2008/02/04 10:37 AM
こんにちは。
読めば読むほど深みにはまっていくようで、でも読むのを止められない。なんだか、凄い作品でした。
いろんなことを考えさせられました。
posted by じゅずじ  at 2008/02/04 10:08 PM
■すずなさん
>読めば読むほど深みにはまっていく…
その気持ちわかります。
「納得したい」言葉を求めて読み進めるんですが、真実がわかってくると、それにともなって憤りが。
やるせない思いでした。
 
 
 


 

TRACKBACK

ぱんどらの本箱  at 2007/09/26 3:05 PM
吉田修一【悪人】
土木作業員の若い男が、保険会社に勤める若い女を殺して逃走した。 親から見れば「おとなしい子」「ごく普通の娘」の二人に何が起こったのか。戸惑いと衝撃のなかで警察の捜査は...
クマこうの Slow  at 2007/09/27 11:40 AM
吉田修一 「悪人」
★★★☆☆ 帯に“最高傑作”とある。“デビューから十年。吉田修一は作家として何
粋な提案  at 2007/09/27 3:02 PM
悪人 吉田修一
装幀は町口覚。初出「朝日新聞」2006年3月24日〜2007年1月29日。 福岡と佐賀の県境、三瀬峠の殺人事件。被害者石橋佳乃・保険外交員。加害者清水祐一・土木作業員...
本読め 東雲(しののめ) 読書の日々  at 2007/11/15 7:43 PM
九州で起きた殺人  吉田修一著 「悪人」
吉田修一 著 「悪人」 おそらくは著者、渾身の一作なのではないかと思いましたね。 それは、本の厚さからも伝わってきましたよ。 それならばと、この作家のファンとして、襟...
<花>の本と映画の感想  at 2007/12/22 4:04 PM
本「悪人」
悪人 吉田修一 朝日新聞社 2007年4月 長崎市郊外に住む若い土木作業員が、福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃を絞殺し、その死体を遺棄した容疑で、逮捕される。なぜ、事件は起こったのか・・・・・・ 犯人はわかっているのに、先を読まずには
Bookworm  at 2008/02/04 10:36 AM
悪人(吉田修一)
ふー。 読み終わった後に、このタイトルが重く深く圧し掛かってくるよう。もやもやとスッキリしない気持ちを持て余してしまいます。
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!  at 2008/04/19 5:31 PM
悪人 吉田修一
悪人 ■やぎっちょ読書感想文 そげん言わんでもよかろうもん。 はい。びっくりされた方もいらっしゃいますね。今日から、その本から感じた独断偏見まみれの一行感想を、最初に書くことにしました。 今回のように内容と関係ないばかりではなく、本文にも出てこな
デコ親父はいつも減量中  at 2008/07/05 3:30 PM
悪人<吉田修一>−(本:2008年92冊目)−
悪人 出版社: 朝日新聞社 (2007/4/6) ISBN-10: 402250272X 評価:90点 図書館で半年以上待ってやっと順番が回ってきた本。 420ページという堂々の読み応えながら、読み始めるとやめることができず一気読み地獄に引きずりこまれてしまう内容だ。 昨日は12時前
TB URL :: http://juzji.jugem.jp/trackback/1023