2018.01.10 Wednesday
【遠い約束 Long Good-bye・・・】(室積光)を読了!
僕の将来は、みんなとともだちでいること!
まずは来訪記念にどうかひとつ!
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【あらすじ】
1933年、校庭の桜の根元に埋めた「私の将来」と題した作文。親友だった五人は、50年後に開封することを約束する。しかし、その誓いは無残にも戦争によって踏みにじられる。一人生き残った林健一は「記録係」として、事実を語り継いでいく・・・
昔から空気の読めない子は普通にいたよなー。
でも、その子をはじいたりはしなかったよなぁ。
幼い頃から近所づきあいもしていたし、その子のこともよく知っていた仲間が諭したり、守ってもやっていた。
もちろん、その子はそれが悪いことだとわかることはなかったのだが・・・
昭和八年、尋常小学校を卒業したメンバーが先生の呼びかけで学校の桜の木の下に集まった。
「私の将来」という文集を埋めるため。
そして五十年後に掘り起こすため。
医師を目指す優秀な者もおれば、優秀だけど貧しい家の都合で予科練にいく者、家業の炭家を継ぐ者、ちょっと空気の読めない子は、みんなの友だち・・・でいたい。
もう、その子の無邪気さには泣けるね。
そうだよなぁ、友達と言えるのは当たり前のことだったりして、口に出すのははずかしかったりする。
そんなことを平気で、素直に言える子、クラスにもいたなぁ。
そして体の弱い子が言う、みんなの記録係・・・
同級生は次々と戦争にとられていく。
軍医で、パイロットで、そして一介の兵隊で。
体の弱い子は役所に勤めて赤紙を家族に渡し、死亡届をそれぞれの家族に届ける役目を負う。
残された者のせつなさがジワジワと行間を覆いつくす。
戦争によって壊される絆はもちろんだが、現代の薄い絆にも一石を投じているのではないだろうか。
仮に、今戦争になったらこんな絆が作られるだろうか?
もとい、絆の薄い時代だからこそ戦争がないのだろうか?
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